『しょせん他人事ですから ~ とある弁護士の本音の仕事 ~』は、弁護士の保田 理(やすだ おさむ)と、彼の元を訪れた相談者を中心に、インターネットにまつわるトラブルを描いた法律マンガです。
- ドロドロしていないから気軽に読める
- 読みながらネットリテラシーが高められる
第1話ではブログを運営する主婦が保田の元を訪れます。
彼女のブログに「人妻風俗で働いている」などの誹謗中傷が大量に書き込まれたせいで炎上してしまったため、弁護士の無料相談会に参加したのでした。
そこで担当になった保田に事情を説明しようとしますが、精神的にまいって彼女は泣いてしまい、うまく話すことができませんでした。
そんな相談者に、保田は微笑みながら言います。
「泣いてないでちゃんと説明してください」
保田いわく、無料で相談できる時間は短いので、泣いていてはもったいないとのこと。
このように、保田はどの相談者に対しても何でもズバッと言ってしまうため、ネットのレビューではあまり評判がよくない弁護士でした。
しかし、相談者は保田が本音で話をしてくれていると思い、正式に保田に仕事を依頼します。
彼女の依頼は、「情報開示請求」をして、書き込みをした人間を特定することでした。
依頼を受けた保田は書き込みをした人間を特定すべく手続きを進めるのですが、そのステップが分かりやすく描かれていて、また書き込みをした人間がどんな目にあうのかも興味深く読むことができました。
主婦ブロガー編以降も、ネットのデマが原因で活動休止に追い込まれたアーティストの復讐や、迷惑行為を繰り返して訴えられた少年とその家族の話など、現実に起こっているであろうテーマが扱われています。
いわゆるDQNに天罰を与えるスカッと系の要素も含まれていますが、ドロドロした話にはなっておらず、気軽に読める作品です。
ネットが電気や水道のようにあって当たり前になった現代では、常に自分が当事者になるかわかりません。
マンガで気軽に読めるくらいの知識でも持っておいて損はないですよね。